税理士の活躍のフィールド
税理士資格を取得した後は、どのような場所で活躍するのでしょうか?
税理士の活躍のフィールドは主に以下の6つに分かれます。
(1)税理士法人
近年の税理士制度の改正についてで書きました通り、2003年4月に新税理士法が施行され、22年ぶりに税理士法が大改正されました。その注目されている改正点の1つに、税理士法人創設制度の導入が挙げられます。
すなわち、今までは個人で会計事務所を創設することしかできませんでしたが、今回の改正によって税理士法人の創設が可能となり、複数の税理士がパートナーを組み、法人として組織することが可能となりました。税理士は個人営業が原則ですが、この制度によって専門分野に特化した複数の税理士が共同して顧客の税務相談に応じることができるようになりました。
この流れによって、複数の税理士が税務業務会社を経営することが可能になりました。これにより専門分野に特化できる税理士がチームを組んで業務を行えるため、これまでの個人事務所ではどうしても限界があった業務の範囲が拡がり、顧客の満足度の向上を図ることができるようになりました。今回の改正で、数百人規模の大きな税理士法人や全国に支店を持つ税理士法人なども設立され始めています。
税法の複雑化・高度化・国際化に対しても、より専門的で迅速に質の高いサービスを、幅広い地域で提供できる税理士法人が設立されると考えられています。それに伴い、あらゆる分野・地域で専門家である税理士の需要が高まると予想されています。
(2)会計事務所
会計事務所とは、会計・税務の専門家として、税理士業務を行う事務所のことを言います。
主には、中小企業や所得の多い個人をお客様として、会計・税務、時には経営などのアドバイスを行います。
基本的には、税理士法人と比べて、取り扱う案件の規模は小さめですが、その分、いろいろなお客様と身近に接する機会も多いと言われています。
将来独立開業を希望する税理士や現在受験中の科目合格者などが、所員として入所するケースも多いです。
(3)独立開業
独立開業をするということは、大変ですが、すべて自分で頑張ると言うことです。すなわち、仕事の内容も、やりがいも、収入も、すべて自分次第となります。努力した成果が自分に返ってくるのは、やはり自分の会計事務所を持つことの大きな魅力と言えます。税理士を目指す方に、独立志向が多いのも独立開業のしやすい資格だからと言われています。
(4)コンサルティング
税理士は、企業の経営状況や財務状況をよく知り得る立場です。そこで、基本的な税務業務とともに、経営上のコンサルティングを行うこともあります。企業の経営者のパートナーとして、資金計画や投資計画を立案していく役割も担っています。
(5)国際税務
日本企業の海外進出、海外企業の日本法人設立と、国境を越えた取引が盛んに行われています。したがって、日本をはじめ、各国の税制を把握し、国際的な業務に則した税務を行える人材が求められており、税理士がその役割を負っています。
(6)企業内税理士
一般事業会社に所属して、様々な仕事を手掛けます。得意分野を持つ複数のメンバーが、一般事業会社内にグループを作って1つの仕事に取り組むことも増えています。
そのような、個人では難しい、会社のスケールに応じた大きな仕事を手がけられるのが勤務税理士です。銀行や証券会社といった金融機関、また一般企業の税務部門に所属して活躍します。外部の税理士よりも身近な存在として、活動が期待されています。
税務の専門家である税理士を銀行・証券・保険などの金融業界を中心に、企業内に迎え入れる動きがあります。例えば、昨今盛んなM&A(企業の合併・買収)に関与するなど、その活躍の場は広がりを見せています。
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